安全配慮義務とは具体的になにをすればいいの!?

この対談に登場する専門家

魚住 泰宏

弁護士。平成5年大阪弁護士会登録。平成26年大阪弁護士会副会長。令和2・3年日本弁護士連合会研修委員会委員長。日本労働法学会会員。経営法曹会議幹事。

人事労災に関する法律相談・紛争代理、労働関係の執筆・講演など幅広く活動する。

この対談に登場する専門家

平山 直樹

弁護士。令和元年大阪弁護士会登録。

人事労災に関する法律相談・紛争代理に積極的に取り組む。

「安全配慮義務」の具体的内容は職場ごとに判断が必要

奥山:前回は「生命・健康を危険から保護するための付随的な義務」として会社(以下、使用者)に安全配慮義務が認められているとのお話でしたが、具体的に使用者は何をしなければならないのでしょうか?

魚住:ごもっともな質問ですね。では、平山先生お願いします。

平山:はい。職場における労働者の安全と健康の確保を目的として、具体的な安全・健康確保措置を定めた「労働安全衛生法」があります。労働安全衛生法には、使用者が労働者に対して負う具体的な安全配慮義務の一部が規定されています。
例えば、著しく暑熱な場所における業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業所には、専属の産業医を選任しなければならない(労働安全衛生法13条、労働安全衛生規則13条1項3号イ)、暑熱の屋内作業場で、有害のおそれがあるものについては、冷房、通風等適当な温湿度調節の措置を講じなければならない(労働安全衛生規則606条)などがありますね。

奥山:「一部」ということは、この法律がすべてをカバーしている訳ではないと?

平山:おっしゃる通りです。どのような配慮が必要であるかは、個別にその状況ごとに判断されます。職種や作業内容、作業場所、作業時間帯などにより配慮すべきことが異なるからです。したがって、安全配慮義務の具体的な内容は職場ごとに確認する必要があります。

奥山:職場ごととなると、どこまでやれば責任を果たしているかは判断しにくいですね…

平山:使用者が安全配慮義務を全うする、つまり労働者に安全な労働環境下で働いてもらうためには、労働者に行わせる労働内容を踏まえ、その労働が労働者の生命・健康に対してどのような危険を内在しているのかを、「使用者がきちんと把握」して「具体的かつ現実的な措置を講ずる」ことが不可欠です。ここでは、専門家にしっかり確認しておくことも重要になってきます。

奥山:どのような義務が安全配慮義務として求められるのかが気になりますね…!

魚住:では、次回は「安全配慮義務」に対する最高裁の見解について解説していきましょう。

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