現代の3大労災は「腰痛」「うつ」そして「熱中症」

この対談に登場する専門家

角井 孝次 氏

社会保険労務士。中央労働災害防止協会(中災防)非常勤講師。職長・安全衛生責任者教育講師。特別教育等講師。心理学研究家。 / 海外・国内の科学的根拠に基づくエビデンスベースドの最新の心理学を研究し講演・研修・執筆など幅広く活動する。

熱中症による労災が急増している現状

奥山:スターライトの奥山です。昨日も暑かったですねー!この時期は30℃を超える日が続きます。営業で外まわりをする同僚も夏バテで、朝食抜きや休憩せず頑張りすぎると、打ち合わせ中にボーッとすると言ってます。熱中症指導士の私としては、見過ごせないので朝礼で注意喚起したりしています。

角井:本当にそうですよ。とくに、身体がまだ暑さに慣れていない時期は熱中症になりやすいと聞きます。朝ごはんをしっかりとって、忙しくても水分補給と適度な休憩はマストですよ!

奥山:今回は熱中症が原因の労災が多発している点について、労災にお詳しい角井先生に話を伺いたいです。

角井:はい。厚生労働省が発表したデータでは、2020年の労災の死傷者数が約13万人に対し、熱中症は959人で全労災死傷者の0.7%です。注目すべきは、全労災の死亡者数845人に対し、熱中症が22人で約3%と高くなっていること。よって、熱中症は現代の労災における深刻な問題といえます。

奥山:そうなんです。でも、熱中症労災の改善対策はまだまだと感じます。

角井:おっしゃるとおり。現状、熱中症における労災は大きな問題であると認識し、安全衛生管理を進めて対策をとっている企業はあまり多くないですね。

奥山:屋外の工事現場や広い工場の作業現場の熱中症対策って、一定間隔での休憩や給水を職場やチーム単位で取ることが多いですよね。それだけでは不十分な気もします…。

熱中症は新しい3大労災のひとつ

角井:熱中症は現代の3大労災のひとつと言われていて、特に、毎年春から夏の気温上昇とともに頻繁にニュースになりますよね。熱中症が急増している理由として世界的な気温上昇がありますが、高温多湿な環境下での現場作業が増えていることにも留意すべきです。そのため、安全衛生の面からも積極的な対策が求められます。

奥山:これまでの作業現場でのKY(危険予知)活動に加えて、作業者一人ひとりに合わせた対策が必要なわけですね。

角井:前述の現代の3大労災は「熱中症」のほかに「腰痛」「うつ病」があります。「腰痛」はデスクワークや飲食業などの第三次産業でよく発生する労災で、ヘルニアにでもなれば長期間働けなくなったりします。「うつ病」は職場の人間関係に起因し、自殺など大事になることが多い問題です。
熱中症も重症化すると、長期のリハビリが必要です。持病があったり発症後の発見が遅れると死に至るとても恐ろしい労災であるため、職場の管理者の皆さんは軽視することなく真剣に取り組むべきです。

奥山:熱中症もそうですが、「まさか自分がなるとは思ってなかった」という話をよく聞きます 。個人でまだ大丈夫とか、企業でこの程度ならとか軽視せずに、しっかりと根本的な対処が大切ということですね。

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