“アツさ”から熱中症を考えてみた

浅川 マコ
研究員

この前テレビで、ハバネロ丸ごとを平気な顔してむしゃむしゃ食べている人を見ました。

辛さが苦手な私はその映像を見ただけでもう汗だくだく!

英語では辛いも熱いもHOTと言いますよね。それでは熱中症は熱い?暑い?“アツさ”とは何なのかを調べてきました。

アツさの種類について

「アツさ」の代表格が炎。ガスレンジなら連続的にガスと空気が供給されてできる青い炎の温度が約1,800℃。そして、炎のような高エネルギーの最たるものが太陽。その表面温度はなんと5,500℃!その熱は地球に届くころには途中で減衰し、地表では20℃程度なります。太陽熱の伝わりは電磁波による輻射熱であり、身近な事象としては岩盤浴の石板からジワリと受ける温かさや夏の照り返し現象があります。この輻射熱は物質を表面だけでなく中心から石焼き芋のように熱くします。

熱中症で問題になるアツさとは?

作業者は屋外での太陽からの熱、設備や路面からの熱などの様々な種類の熱を浴びています。熱中症はそのような熱をため込んでしまうことが原因で起こります。

人体の60~80%は水分と言われています。体の水分は湯たんぽのように熱を蓄えます。これはもちろん、体温保持のために必要なのですが、度を超えた熱のため込みが進むと熱中症が発生しやすくなるのです。

ため込んだアツさを逃がすには?

もし熱中症になってしまった、なったかもしれないと思ったら、とにかく冷やすことが重要です。

1.体の表面を冷やす

静脈が多く流れる首筋、わきの下などに保冷剤や冷たいタオルをあてると効果的ですが、可能であれば水風呂に入り全身を冷やすとかなり効果的です。その際、意識を失って溺れることがないように注意!

2.冷たい物を食べる

これは内側からの冷却。飲み込みやすいシャーベット状の流動性がある氷菓子が最近増えています。冷凍庫での保冷温度はアイスクリームの-20℃より、氷菓子は-5℃程度と15℃ほど高いのですが、氷は吸熱瀬能がきわめて高いのでしっかり熱を奪ってくれます。なお、氷に塩をかけると凝固点が0→20℃と低下しすごく冷えますが、凍傷など冷やしすぎにご注意ください。

3.肌の露出を高め涼しい部屋や送風を受ける(症状が軽度な場合)

嘔吐などが起こる可能性があるので、ベルトや下着、靴下などの締め付けは外し、横になるときは嘔吐物による窒息に注意した体勢をとりましょう。

おわりに

以上はあくまで軽度の場合、もしくは緊急の処置です。状況を甘く見ず、救急車や医療関係者からの指示に従って行動しましょう。

熱中症になってから冷やすのではなく、熱中症にならないように、予防のために作業中またはこまめな休憩時に冷やすようにするとともに、見た目でわかりにくい各人の容態の変化をキャッチするしくみの導入なども必要です。

色んな“アツさ”の影響を受けて熱中症になってしまうのか…

万が一の時のために、対処法を知っておくと心強いね!