勤務中に起こってしまった熱中症は労災になるの…?前編


研究員
熱中症対策をどれだけ万全にしていても、作業者の頑張りすぎなどから起こってしまうもの。

職場で熱中症が起こってしまった場合、『労災』となり企業側はしかるべき対応をしなくちゃならない。

今回は熱中症が労として災認定されるポイントについて解説していくよ。
労災とは
労災とは、労働者の業務上または通勤途中での負傷・疾病・障害・死亡のことで、下記二つに大別できます。
- 業務災害労働者の業務上の負傷・疾病・障害・死亡
- 通勤災害労働者の通勤途上の負傷・疾病・障害・死亡
熱中症は労災に認定されるのか
8.暑熱な場所における業務による熱中症
労働基準法施工規則別表第1-2
とあるように、熱中症が労災の対象疾病であることがわかります。
熱中症が労働災害認定される基準には、
- 一般的認容要件
- 医学的診断要件
の二つがあり、どちらか一方の基準を満たしていることが求められます。
熱中症の労災認定基準
①一般的認容要件
- 労働環境や労働時間に明確な熱中症の原因があること
- 熱中症の原因と症状に因果関係があること
…発症した時間と労働時間に因果関係がるかどうか、等 - 業務に起因しない他の原因で発症したものでないこと
…持病でない、等
これらの項目を満たせば、一般的許容要件として、熱中症が労災として認められる可能性が高くなります。
②医学的診断要件
医師によって“熱中症”と診断された場合は医学的診断要件を満たします。
その際、下記項目を確認しておく必要があります。
- 気温や湿度、服装などの作業条件の把握
- 痙攣、意識障害等の一般的症状の視診と体温の測定
- 脳貧血、てんかん、頭蓋内出欠などによる意識障害との識別
こんな時は労災の申請をしよう
- 業務中、もしくは帰宅後に気分が悪くなり、病院に行き“熱中症”と診断を受けた場合
- 業務中、倒れて緊急搬送され“熱中症”と診断された場合

研究員
では、熱中症が起きてしまった場合、労災申請手続きはどのように行えばよいのでしょうか。労働者側がすべきことについては後編で解説するね!